その5
ふと土地が開けたと思ったら、左手にホッパーが!
ホッパーとは積み出された鉱石を一時的に貯蓄しておく場所だ。
このコンクリートは何だかよく解らないがこれも廃駅関連のものだろう。
構内は公園として利用されてたようだ。
壁際。古い石垣が残っていた。
錆色になっているのは鉄のせいか、赤土のせいか。
上から。
お決まりのホッパーのアングルといった感じではあるが、確かにここから「廃の美学」を感じ取ることが出来た。
ホッパーを奥に進むと、驚くべき光景があった。
見つけた時、一瞬びっくりした。
氷筍。
地面から生える氷柱はこう呼ばれる。
足元にもあった。
どうやらここが太子駅跡のようだ。(以下N地点)
例えて言うなら木場とかだろうか。廃鉱には大体存在する。
しかし、それすら廃と化し、錆色の鉄棒と枯木色のブランコが虚しい。
為すがままに鉄骨剥き出しにして剥げていくコンクリート。
今にも崩落しそうな、その一歩手前で何とか粘り続けている焦燥感。
逝った者にしか出せない、廃色の風景。
この佇まい、観音様が沢山並んでいるように見えたのだ。
自然の神秘。
でも、こんな所で見られるとはびっくりだ。
そういうわけで、思わぬ廃線跡の突然の取材。
若干未踏地があるのが残念だが、こっちにくる機会があればリベンジしたいと思った。